世間ではメキシコ発の豚インフルエンザのニュースで賑わっている。成田空港で日本人初の豚インフルエンザ疑惑のある女性が見つかった。彼女は個人情報を保護されているから誰かは秘密にされているけれど、今、日本中の注目を浴びている。もちろんニュースを見ていない人もたくさんいるのだけれど、みんなの注目を浴びている彼女の心と体が休まるように、無力だけれど遠くから祈ろう。
去年の秋と今年の一月に応募していた新人賞の結果がウェブ上で発表されていた。僕はまた落選した。応募総数二千、競争倍率二千分の一の狭き門では、人間的競争にならないからと、応募総数五百と百の新人賞に応募したけれど、結果は同じで落選だった。
それほど落ち込みはない。もう落選は当たり前になっているから、ミレーやゴッホのように、競争の結果に心を執着させるのはやめにして、ただひたすら祈りながら、目の前に見えている世界を描いていこう。
ロト6で一億円当たると聞けば、一度の抽選で自分に一億円転がりこんでくると思うほど、僕は確率と統計を知らない自信家だった。ロト6やナンバーズなどギャンブルで稼いでいる人は、何回も応募するうち、わずかな一回で賞金を手にしている。確率を考えれば、何度も応募する者が勝利する。一度落ちたくらいであきらめる人間は、確率を知らない人間だ。人生が、自分という株を売る投資活動だとすれば、自分は言葉を書いて、世界に訴えでようとしている。全て世界をギャンブルで理解することはとても哀しいことだけれど、自分は投資によって発達した世界で、言葉を書き続けている。
昼飯は地下鉄の出口付近にできたパン屋さんでいつも食べている。パン屋さんには女性のお客さんがたくさんやってくる。昼休みには行列を作って、みんなパンを買って帰っていく。僕はレジ手前のソファに座ってカフェラテを飲みながら、女性客の行列を眺めている。みんな東京都内で働いている。学生もいるし、アルバイトの人もいる。派遣社員さんもいるだろう。
こうしてパンを買っていく全ての女性たちが、幸せに包まれながら、仕事のできる世界になるよう願った。仕事の量に押しつぶされないように、会社の人間関係に悩まされないように、お客さんの応対に悩まされないように、幸せに、仕事に生きがいを感じられるように。生きていることに喜びが感じられるように。おいしいパンを買って、食べている時だけでなく、働き、眠り、友達や恋人と語り合う瞬間瞬間全てに幸せを感じることができるように。
ずっと肩と腰が痛かった。腰痛持ちの人がゴルフをすると、腰痛が悪化すると聞いていたから、友人にすすめられて始めたゴルフのせいだと思っていた。あるいは、長時間オフィスで働き過ぎなせいだとも思っていた。
昨日、ベッドの位置を変えてみた。今まではテレビとベッドが直角になっていた。ベッドで寝ながらテレビを見るには、首を少し起こして、左下に傾けないといけない。そうした姿勢は、体に悪いとわかっていたから、ベッドにいる最中は極力テレビを見ないようにしていた。それでも体が痛いから、ベッドをテレビの正面においた。寝そべっていれば、自然とテレビが目に入る。ベッドの位置を替えた途端にひどい腰痛が治った。今までは腰にごりごりした突起物の存在をずっと感じていたけれど、今は何も感じない。肩もぱんぱんに張っていたけれど、今はそれなりに楽だ。
ゴルフのせいでも、ビジネスのせいでもなかった。ベッドの位置が悪かったのだ。世界で感じている生き辛さなんて、そんなものだ。自分が原因と思って、憎んでいるものは、生き辛さの本当の原因ではない。なんの怒りも恨みも感じていないことが、生き辛さの本当の原因となっている。
全ての悩める人が、生き辛さの原因に気づけますように。怒りを向けている対象、恨みを感じている対象は、あなたを何も苦しめていない。あなたの苦しみの原因は、何気ない日常の中に潜んでいる。
簡単に変えることができるのに、真の原因となるものに、何の不満も感じていないから、あなたは生き辛さを感じ続けることになる。何に怒る必要もない。誰を恨み、戦う必要もない。
肩に力を入れる必要もない。気合を入れて、壁に向けて挑戦し続ける必要もない。ただ些細な日常を変えること。それだけで、生き辛さは軽くなる。