映画評『それでもボクはやってない』周防正行

- それでもボクはやってない スタンダード・エディション
- 加瀬亮;瀬戸朝香;山本耕史;もたいまさこ;役所広司 周防正行
- 東宝 2007-08-10
- おすすめ平均

真逆の映画も観てほしい。
誰もがこうなる可能性がある。
特別お勧めできない映画
怖すぎ
現実、現実、そして現実。
by G-Tools , 2008/03/02
フジテレビの放送で視聴。裁判では客観的、合理的証拠を集めて判決を決める。個人の主観的な意見は、偏見や思いこみでゆがめれている可能性があるため、合理的に証明できる部分のみ判決に利用される。電車内の痴漢では証拠がなかなか集められない。やったと証明することは簡単だけれど、やっていないと証明することはきわめて難しくなる。痴漢の判決で裁判制度が抱える問題があぶりだされるんだけれど、それは近代的合理主義の問題をもあぶりだすことにもなる。
中国山奥の田舎に裁判官たちが自転車でまわるドキュメンタリー番組を以前見た。近代的設備がほとんどない僻地で、自転車でやってきた裁判官や弁護士が裁判を行う。司法制度を中国国内に広めるというのが目的。離婚の裁判をやっていたが、裁判が終わってから、離婚したいと言う妻としたくない夫が口論になった。夫はみんなが止める中妻を殴った。妻が泣いた。裁判官が出てきて裁判で決めるからと言った。もちろん日本の裁判所内でも、裁判が終わった後、関係者同士が殴りあいすることもあるだろうけれど、こうした様子を見ると、裁判では解決しないことがたくさんあるということがわかる。
近代的裁判制度を最初に確立していった人たちは、国家が司法制度を整えたら、世界に争いはなくなるだろうと希望を持っていたことだろう。近代勃興から何百年か経過して、近代国家なり裁判制度が整ってきたけれど、あいかわらず盗み、殺人、横領、性犯罪、殺人などが絶えない。
国家は暴力を集中させる装置だ。殺人は基本的に否定される。殺人がゆるされるのは国家権力だけだ。けれど、あいかわらず毎日毎日殺人事件は起きている。近代社会システムはまだまだ問題を抱えているけれど、私たちは社会を未来に向けて改善していくことができる。あきらめてはいけない。
- [2008/03/02 00:39]
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