ヒトゲノム計画の成果をもとに、原生人類の祖先集団の生態を綴った一般向け自然科学書。現生人類はアフリカ大陸に起原を持っており、たった150人の集団が、アフリカ大陸から世界中に向けて旅立った。ネアンデルタール人など先にアフリカ大陸から各地に散っていた古代人類と戦い勝利してきた現生人類。現在の全ての人のDNAは、5万年前アフリカ大陸出自の集団に帰属するという。
5万年前の生態分析よりも、その後の人類発展史の方が面白かった。一つの言語をみんなが話せば、便利そうなのに、何故多言語になり、方言が生まれるのか。言語は、仲間を見分けるキーになるという。自分たちと言葉遣いがちょっとでも違えば、敵。言語が一つになることはこれからもないだろうと思えた。
宗教も言語同様、人間集団を統合し、かつ敵の集団を見分けるキーになる。自分たちと同じ神を信仰していなければ、彼は集団にとって異質であり、敵としてマークする対象になる。故に宗教が一つになることもまた難しいと思える。