【文学・哲学エッセイ・サブカルチャー評論】7代後の孫への話Blog

I will not serve that in which I no longer believe, whether it call itself my home, my fatherland.

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全裸の女子高生がテロリストとなるイマージュ I 

2009年になったことが、めでたいことかどうかはわからない。正月に一つ小説を書いた。このまま書き続けていこうかと思ったけれど、別の書き出しで小説の続きを書くことにした。今もJR山手線が人身事故で停まっている。人身事故と言って、実際は死傷者が出ているのだろう。去年一年間、人身事故によって亡くなられた全ての人の冥福を祈りつつ、この小説を発表します。


○全裸の女子高生がテロリストとなるイマージュ I ○

 僕は新宿駅前を歩いていた。
 道路向かい側の歩道に制服姿の女子高生が一人歩いていた。女子高生は鞄を路上に下ろすと、ブレザーとカーディガンを脱いだ。暑いのかなと思っていたら、ワイシャツを脱ぎ、ブラも外した。スカートを下ろし、パンツまで脱いだ。靴と靴下も脱いで、彼女は全裸になった。
 歩いている人の何人かは立ち止まって彼女の奇行を眺めた。ほとんどの人はちょっと見するだけで、何事もないように素通りしていた。僕もAVの撮影かなんかと思った。
 全裸の女子高生は鞄からピストルを二丁取り出し、両手で構えた。
 彼女は笑いながら、通行人に向けて銃を撃った。銃声が鳴って、中年のビジネスマンが血を吹いて倒れた。悲鳴が上がった。
 全裸の女子高生は続けて銃を何発か撃った。ホスト風の男、私服の若者、ビジネスマンが弾に当たって倒れた。驚いた通行人たちは、駆け足で全裸の女子高生から離れていった。車の流れも止まった。
 僕はビルの陰に隠れて、顔だけ出して女子高生を眺めた。弾が尽きたのか、女子高生はピストルを鞄に戻した。彼女がしゃがむと、風に煽らせて茶色のロングヘアーがふわっと舞い上がった。女子高生は鞄からライフルを取り出して、立ち上がった。
 誰が呼んだのか、警察官三人がやってきた。女子高生は警察官に向けてライフルを乱射した。警察官は拳銃を構えようとした姿勢のまま、ライフルの弾に当たって倒れた。遠くからまた悲鳴が聞こえてきた。
 無差別殺傷を狙ったテロなのだろうか。
 彼女は何故裸なのだろうか。
 やっぱりAVの撮影なのだろうか。
 黒いワゴン車が新宿駅前から猛スピードで突っこんできた。全裸の女子高生はワゴン車めがけてライフルを乱射した。弾が車体にあたったが、ワゴン車は止まらない。
 ワゴン車は歩道に乗り上げ、女子高生の体をひいた。黒いワゴン車は女子高生の体を数十メートルひきずった。そのままワゴン車は道路の向こうに走り去っていった。
 道路の真ん中に女子高生の遺体が残った。
 彼女に銃で撃たれた人はみな、男性だった。
 僕は就職面接の時間が迫っていたので、急ぎ足で現場を後にした。
[ 2009/01/03 13:26 ] 小説論 | TB(0) | CM(0)
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