イスラエルがパレスチナに対してついに地上戦をしかけようとし、民主党永田元議員が自殺した1月3日21時より、TBS系列で「ドリームマッチ2009」が放送された。ドリームマッチとは、人気お笑い芸人のコンビをシャッフルし、フィーリングカップル形式で誕生する新コンビのネタを楽しむ番組である。今回最大のミラクルは、ダウンタウン松本仁志とウッチャンナンチャンの内村光良が、伝説のコント番組『夢で逢えたら』以来、二十年ぶりにコンビを組んだことだった。
派遣村で寝ている人も多いと思われる通称ロスト・ジェネレーション世代は、お笑い番組とファミコンとともに育ってきた世代でもあった。ロスジェネ世代にとって、とんねるず、ダウンタウン、ウッチャンナンチャンの3組は、人生の教師のような存在であり、松ちゃんとウッチャンがお互いをあだ名で呼び合っている場面を見ているだけでも、派遣村なるものを作り出した悲劇的現実が忘れ去られるのだった。
だいたいにして、二人は最早大御所的存在になっている。番組ではMCの立ち位置におり、共演する芸人は「松本さん」、「内村さん」と敬語で呼ぶ。松ちゃんは最早天下を取ってしまった。絶頂期の松ちゃんは、後輩芸人をつぶしまくっており、自分が日本で一番面白いと誇示していたが、今や『リンカーン』で後輩にいじられ、M−1で審査員の席に座る立場になった。過去の「ドリームマッチ」でも、松ちゃんの組は優勝できなかったが、今回は優勝した。ネタは松ちゃんとウッチャンがダブルボケの刑事ものコントで、正直ウッチャンのキャラの方が面白かった。やはり松ちゃんの才能は枯れてきたのだろうか。それとも『一人ごっつ』など全盛期の松ちゃんが繰り広げた、お笑いの限界領域を広げていく革命的ネタの数々によって、現代のお笑いは、松ちゃんの先に進化したのだろうか。
ひょっとすると、今日見た松ちゃんとウッチャンのコントを二十年前見ていたら、一番面白いと思ったかもしれない。他にすごいのが、というか二人の想像力を超える変な芸人が増えただけかもしれない。
個人的には、ホリケンと宮迫コンビの漫才と、オオトリだったウドと次長課長井上コンビのコントが面白かった。ホリケンが放つ漫才の脚本を一切無視した適当な発言の数々、突然起こる奇跡のような展開。ホリケンの自由っぷりを見ていると元気づけられるのは、羞恥心のお馬鹿な回答を見て多くの人が元気づけられるのと、同じ構造だろうか。